シンポジウムからの提言

 

 本会は金沢教育振興会と共催し、「21世紀の教育を考えるシンポジウム」を開催し、学校・家庭・地域の教育を支える応援団として、次のようなテーマを設定し「参加者の意見・考え」をまとめ、子育てに役立ててほしいと願って、公開します。


【18歳成人時代】の子育てを考えよう

 2022年(令和4年)4月から18歳を成人とするよう民法が改正されました。今の中学3年生は高校を卒業した時点で、中学2年生は高校3年で誕生日を迎えた日から成年となります。このように、高校在学中に成人となる時代を迎えるにあたり、「自立・自律した成人」に育てていくために、学校・家庭・地域が何を大切にして子育てをしていけばよいかを、考えていく必要があるのではないかと思い、このテーマを設定しました。

令和2年度(3年目) テーマ
【18歳成人時代】の子育てを考えよう
~意見交換や会話する機会をどのように持てばよいのか~

 2020(R2)年は、初年度で掲げた3本柱の「情報の真実を見抜く力を身に付ける」ため「③親や大人、友人と意見交換・対話する機会を持てばよいか」に視点を当てて話し合う場を設定することにしました。

☆ コーディネーター  堀田 葉子 氏(石川県文教会館 館長)
☆ パネリスト     石倉喜八朗 氏(石川県立津幡高等学校 校長)
            黒田 朋宏 氏(金沢市PTA協議会 副会長)
            荒牧 秀樹 氏(金沢市子ども会連合会 事務局長)

 

3年目・シンポジウムのまとめとして

【パネリストからの主張項目】
 ①子どもの現状・②欠けているものは・③未来を担う力を培うために・④多様な経験から学ぶ・⑤今後について、の5項目でパネリストに語っていただきました。

【参加者からの意見】
・親の役目として、目先の事だけでなく、自分の 思い描いた未来を見せてあげる、子に気付かせてあげるとのご意見は、その通りだと思いました。自分の息子の事を考えた時、夢が持てなかった時代があったと思います。でもそんな中、未来に向けての事を話してやり、きっかけにしていくことが大事だと思います。
・一人一人の子どもを見ると、多分良い子達なんだろうと思います。私達は今の若者達に社会を委ねる立場にいますが、一人一人の良い子達が寄り集まったら、良い社会が築けるか、委ねることができるのでしょうか。それは、単純ではないと思います。そこには、集団の力、組織の力、団体の 力が必要になり、その力を付けるために、対話やコミュニケーションが求められます。
・今の子ども達は、つまづきや挫折をどれだけ経験しているのでしょうか。何かあった時に、強く生きていける育て方をしているのか心配になります。汚いものや弱い者から目をそらし、きれいなものばかり見ている子ども達ですが、世の中はきれいなものばかりではないことを分かって欲しいと思います。

【コーディネーターのまとめ】
 この10年ほどの小中学校教育の成果で、高校においても、グループ活動の体制ができ、話し合いが大変上手になりました。しかし、内容の深さについては、これから高めていかなければならないことです。知識を身に付け、社会に出た時、体験したり経験したりして使える力にしていかなければなりません。また、私達は子ども達にきちんと答えられる大人である事も大事だと思われます。
 今回は、様々な立場からお話をいただきました。一人一人が良い子です。また、一人一人がある程度会話が成立していて、好ましい子に育っています。
 しかし、それだけでは18歳で契約を結んだり、あるいは国民投票で一票を投じる判断力の育成には十分ではないというのが現実だと思います。家庭においても学校においても地域においても協同した形で子ども達の力を確実に培っていく場を持つ事が大事だと思います。来年度、もう一度、話し合う機会がありますので、そこに繋げていきたいと思います。

 

令和元年度(2年目) テーマ
【18歳成人時代】の子育てを考えよう
どんな人と(どのように)出会わせればよいのか」

 初年度で掲げた3本柱の1つ目にあたる「①様々な人と出会う機会を持たせよう」を掘り下げようと考えました。初年度では「異年齢の他者(特に大人)と接する」と限定していましたが、改めて「どんな人と(どのように)出会わせればよいのか」をサブテーマにしてシンポジウムを開催致しました。

☆ コーディネーター 小浦  寛 氏(石川県文教会館 館長)
☆ パネリスト    中黒 公彦 氏(金沢市子ども会連合会 広報部副部長)
           山下 一義 氏(石川県立野々市明倫高等学校 副校長)
           相羽 大輔 氏(金沢市PTA協議会 副会長)

 

2年目・シンポジウムのまとめとして

【バネリストの主張】パネリスト3名の主張を短くすると
・前後・左右・斜めを見渡せる親のような人に中学2年生(立志)を迎える年頃に合わ せたい。④
・「変化」を楽しめる大人。⑬
・ねじれた位置に居て、失敗経験があり、肯定的・前向きな考えを持った人と、でき るだけ自然に近い関係で。③

【参加者・小グループのキーワード】参加者による小グループ討議からキーワードは
1先ず、親の生きる姿・価値観である。しかし、親の「変化を恐れる」姿が多すぎ  る。(社会は、既に変化しているのに)
2・とにかく話す機会がある場に行く。会話する。③
3・来る18才の成人に対して、人生経験の話の場を設定する。①
4・子どもの成長・発達段階に応じた子共にとって「かっこいい」人に出会わせたい。①
5・様々な人と出会う機会を持つことは大切に。しかし、誰ととへこで(いつ)出会わすか、までは決める必要はない。
6・いつもニコニコしている人。⑤
一人1票で投票した人数が「数字」である。

【コディネーターのまとめとして】
皆さんが貼った共感シールの数を見ると、1番が「変化を楽しめる人」。2番が「いつもニコニコしている人」になりました。いつもニコニコというのは変化を楽しめる人のことであって共通している面があります。皆さんはいろんな言葉でおっしゃっているわけで 一番底の部分は同じかなと思います。ただ言葉としてしっくりくるのは 「変化を楽しめる人」ということになります。
それは、「失敗を恐れない」とか、「失敗をいっぱいしている」、「失敗していてもめげなくて前向きに頑張れる」ということになります。別の言葉にすれば、「ねじれた位置にいる」とか、「失敗経験がある」と言うことになり全部つながってきます。
今、学校現場では「失敗をさせない」という変な文化があります。でも、本当は失敗をさせて本当にやる気を出させて自分でやってみる。そんな経験をもっともっと積ませていくことが必要だと思っています。
今日の話し合いで、「変化を楽しめる」と言うキーワードは非常に分かりやすくていいキーワードができたなと思っています。ただ、「どのように出会わすか」ということは非常に難しい。グループの考えに「そこまで決める必要はない」とありますが、「どんな活動において出会わせるか」ということについては、 家庭でも学校でも仕掛けが必要だと思います。今年は「人」がテーマで、来年は「活動」がテーマになります。どんな活動を用意するかについては、来年度のテーマにつなかっていくと思います。

【提言に代えて】
 パネラー及びグループ討議の中からいろいろなキーワードが示され、その中で最も共感できるキーワードにシールを貼りました。
 その結果、「①変化を楽しめる人」「②いつもにこにこしている人」「③前後・左右・斜めを見渡せる親のような人に中学2年生(立志)を迎える年頃に合わせたい」。これらのキーワードは、つまるところ私たち大人の生き方を示しています。「変化を恐れず、困難に出合っても悲観的になることなく、前向きに対応できる大人」こんな姿を若い世代に見せていくことが大切なのではないでしょうか。

 

平成30年度(初年度) テーマ
【18歳成人時代】の子育てを考えよう
~あなたは、「自分の子ども」・「地域の子ども」に対し、何を大切にして行動しますか~

 4年後の2022年4月から18歳を成人とするよう民法が改正されました。今の中学3年生は高校を卒業した時点で、中学2年生は高校3年で誕生日を迎えた日から成年となります。このように、高校在学中に成人となる時代を迎えるにあたり、「自立・自律した成人」に育てていくために、学校・家庭・地域が何を大切にして子育てをしていけばよいかを、考えていく必要があるのではないかと思い、このテーマを設定しました。

パネリストからのキーワード

①堀内  誠 氏(金沢市子ども会連合会 育成部長)
 ・経験を積む 新たな出会いを大切にする

② 河岸 美穂 氏(金沢錦丘高等学校 教諭)
 ・異年齢の他者との出会いを通して社会性を深める

③久野 隆司 氏(金沢市PTA協議会 副会長)
 ・うそを見ぬける力

◆ 藤井 直樹 氏(石川県文教会館 館長)
◆コーディネーターのまとめ
・対話や経験を、人との関わりの中で積み上げたり、広げることによって、社会性や嘘を見抜ける力を育てるように、自分の子ども・地域の子ども達に接することが、より必要になってくる。
・本音で言えば「いつまでもあると思うな親と金」と前もって伝えていきたい。

  小グループ討議からのキーワード

参加者による小グループ討議からキーワードは
・「嘘を見抜ける力を身に付ける為コミュニケーション能力を養う④」
・「対話の広がり⑥」
・「人との関わりが基本(機会を多く)③」
・「いつまであると思うな親と金⑥」
・「コミュニケーション力、情報選択力⑤」
・「異文化交流を楽しむ⑥」
・「親も地域も範を示す⑦」     一人1票で投票した人数が「数字」です。

 初年度・平成30年度の提言

【18歳成人時代】を向かえる前に、次のようなことを大切にして子育てをしよう。
「自立・自律した成人」に向けて、自己肯定感を高め、独立心、自己責任能力、自己判断力を 育てるために
 ☆様々な人と出会う機会を持たせよう
  ・異年齢の他者(特に大人)と接する機会を多くすることにより、人間性・社会性
   を培い、コミュニケーション能力を高める。
 ☆様々な活動に参加させ、社会性と自信を持たせよう
  ・企画→実施→評価・改善の過程を経験させ、自信と責任能力を育てる。
 ☆情報の真実を見抜く力をつけさせよう
  ・親や大人、友人と意見交換・対話する機会を持たせる。

 2022年度から「18歳成人時代」になります。金沢教育振興会は4年後を見据えてシンポジウムのテーマに設定し「大人の関わり」について考える機会を設けました。子どもは大人の関わりがあってこそ習慣として身につき力を育みます。子ども達を取り巻く地域の大人達が「対話や経験を通して人との関わりを大切にすることが必要だ」と感じて頂けると幸いです。来年もシンポジウムを開催します。どうぞ、気軽にご参加下さい。

平成29年度 テーマ
価値観が多様な今だからこそ、子ども達に育っていってほしいものは
~あなたは子どもと接する時、何を大切にして行動しますか~

 シンポジウムでは、いろいろな立場で子ども達と接しているパネリストから「こんな事を大切にしたい」と提案頂き、それらをもとに小グループで各々の思いを出し合ったり、参加者の意見を焦点化したりしました。
 参加者から出された貴重なご意見は、本会の会員だけではなく、広く学校・家庭・地域の皆様に具体的な行動として提言し、子育て世代を応援することが本会の使命ではないかと考えます。

小グループ討議からの キーワード

1グループ 「大人の力」
 子ども会のメンバーが私達の班には3人います。私達は子ども会の行事を増やしたいのですが、関わる大人の数が減り、行事を減らす傾向になり悩んでいます。世話する人も育友会から子ども会に流れてくることが多く、出る人と出ない人の温度差があり悩んでいるというのが本音です。そういうことで大人の力をキーワードにしました。

2グループ 「自ら・自分で・自分たちで」
 現職時代、このことを原則にしてやってきた。80歳を超えた現在もピタリとくる。日常生活の中で興味があることを見つけると友達に聞きに出かけるという前向きな生活になる。何もすることがないという暇な子どもにも、何か視点を与え興味、疑問を持たせることがまず一歩。何十歳になってもこのキーワードで、子ども達も同じなのではという思いです

3グループ 「我慢する大切さ」
 一人っ子の孫は、自分はこうしたいとよく言います。先日学校開放の際、学校で孫を見ると、ノートを見せる際前の子が見せているのに自分が早く見せたくて自分のノートを出すのです。一人っ子だから我慢できないのかと思うのですが、集団の中で我慢する必要性をわきまえないと他を大事にすることができないという思いから提示しました。

4グループ  「大事なことに時間をかける」
       「触れ合う・向き合う・関わり合う
 今学校、家庭、企業でも忙しいと言う言葉がついつい出てきます。何が忙しいのか、一番大事なことに時間をかける必要があるのではないかという思いでキーワードにしました。もう一つは、パソコンに向かい仕事をすることが多い中で、人と人、全てのものに向き合い触れ合う関わり合う視点が、子どもも大人も必要なのではと思い、2行にしました。

まとめキーワード ・ シンポジウムからの提言

挙げられたキーワードは全て大切なものでしたが、参加者に一押しを投票してもらった結果、「ほめて・認めて・励ます」が、今回のシンポジウム参加者からのお勧めキーワードになりました。
          ==シンポジウムからの提言==
 子どもと接する時、
・スモールステップで子ども達の言動や成長を「ほめて・認めて・励ます」ことが大事。
・大人や親は子どもの機嫌をとるのではなく駄目な ことは駄目と指導する厳しさも大事。


平成28年度 テーマ
「ネット社会の今だからこそ、子ども達に育っていってほしいものは」

 【シンポジウムからの気づき・学び】

①人間らしく思いやる「コミュニケーション能力」を身につけていってほしい。ネット社会を力強く生き抜いていく「善悪の判断力」を持った子ども達に育てていってほしい。
②目と目を合わせながらの会話ができることは、やっぱり大切です。画面上での文字のやりとりではなく、実際に顔を向かい合って相手の表情も踏まえた上で「意思疎通」を図ることができるようになってほしい。
③情報を受ける側は「取捨選択する力」や「読解力」を育ててほしい。情報を発信する側は「モラル」を重要視し、「匿名に甘えない」心を育ててほしい。
④情報モラルとして特定するのではなく、小さい頃から「やって良いこと・悪いこと」が判断できる道徳心を育ててほしい。時代が変わっていっても、基本的な「人としての教育」は、学校でも家庭でも一番大切です。
⑤ネットトラブルの多くは、「家にいる時間」に発生します。だからこそ、家庭での見守り・日々の親との関わりが大切だと思います。家庭内でのコミュニケーション力を親子で育ててほしい。

【地域・家庭・学校への提言】
 日々目まぐるしく変化・発達・拡散する情報機器の「光と陰の部分」を理解しネット社会を否定するのではなく、学校・家庭・地域が一体(同一目的)となって子ども達と接していきましょう。

 ☆ 子ども達には
 ・幼い時期から他の人との積極的な関わりを大切にしよう。
 ・実際の体験・経験を積み重ねよう。

☆ 子ども達と関わる大人
 ・お手本となる大人は、面倒くさがらず積極的に他人との関わりをもとう。  (画面上ではなく実社会で)
 ・情報の取捨選択能力を身につけるには、大人(特に親)が大切な指導を行い、手本を示すことが必要です。「子どもの方がよく知っている」ということを口実にしてあきらめることなく、学び続ける大人(親)でいよう。
 ・「夢や目標を持つ・主体性が育つ・自信をつける・勇気を持つ・人とつながる」等を育てられる場を活動・学習・生活で用意しよう。

 ☆ 情報機器を与えるか迷っている方へ
 ・与えてからの約束づくりではなく、与える前の約束づくりが大事です。


平成27年度 テーマ 「今だからこそ、子ども達に育っていってほしいものは」

【シンポジウムからの気づき・学び】

①子ども達の育て方を見直す必要性を感じる。指導者としては、子どもの自主性を大切にする。子どもを信じ、細かいことは言わず子どもに任せ、自分達で解決する力を伸ばすことが大事だと感じる。

②以前は五感で感じる社会があった。町の臭いや音。大人達の会話。汚いもの。ネコがネズミを捕って食べる現実。大人はそんなものを消去・排除し、問題のない社会を作りすぎている。子どもが、感じる・解決する・自由な発想ができる社会が必要である。

③子育て中の親の生活は厳しく苦しいけれど、親がしていることを子ども達は当たり前と感じ、子どもが親になった時に同じ事をする。子育て+仕事+家事で忙しい母親が、子どものために「課題ノート」を作成する。まさしく、子育てしている親の姿がポイントである。

④なぜ子ども達が自分にいいところがあると思えていないのか。多分大人が一つの物差しでしか子どもを見てやっていないのではないか。いろんな活動の中で子どもの良さが見えるのに、子ども自身がそれを自分自身の良さだと思わさない関わり方を私達大人がしてしまっているのではないか。

⑤学校は、どうしても1年間の成長や育ちを考える。だけど、社会教育の中で評価を急いだら駄目だと分かった。長スパンの中で種を蒔き肥料を与える活動だけれど、大人が肥料のやり方や光のあて方を考えて、本人自身の芽生えや成長を大切にしていくことが大事である。

【地域・家庭・学校への提言】 
☆子育て中の皆様へ ・お父さん・お母さんは、子育て+仕事+家事で忙しいけれど、自分達の姿が「親の教科書」です。頑張って下さい。 

☆子育てを終えた皆様へ ・自尊感情や自己肯定感を高めるため、子どもの良さを見つけ伝えよう。 

☆子ども達と関わっている皆様へ ・画一的な物差しではなく、多様で長いスパンで、子どもを育てましょう。

平成26年度 テーマ 「子ども達の生きる力をより確かなものにするために」
       ―コミュニケーション能力を育てるための大人の関わり―

【シンポジウムからの 気づき・学び】

○ コミュニケーションは双方向 「話をする⇔話を聞く」といった双方向でコミュニケーションが成り立つ。子ども達のコミュニケーション能力を育てるには、まず大人が話を聞いてあげなければならない。また、話し上手な子どもであっても、人の話をきちんと聞くことができなければコミュニケーション能力が高いとは言えない。

○ 子ども達がコミュニケーションを必要とする環境が減少 概して、今の子ども達は時間に追われ自由に遊ぶ時間が減ってきている。また、友達と時間を共有する場所(空間)も狭められてしまっている。その結果、仲間や友人が減ってしまっているのではないか。このような環境の元ではコミュニケーション能力が育つことはあまり期待できない。もっと友達や親と時間や空間を共有する環境を作り、コミュニケーションの必要性を感じるようにする必要がある。

○ コミュニケーションは親自ら 子ども達のコミュニケーション能力を育てる土台は家庭にある。親自らが子どもの話に耳を傾け、親自らが子どもに語りかけることがコミュニケーション能力を育てる基本ではないか。また、地域においても平生から子ども達に話しかけることが少なくなっていないだろうか。声かけの第一歩は挨拶からであろう。

【地域・家庭・学校への提言】

☆ 家族のコミュニケーションの場や時間を増やそう。 子どもは本来は話したがる存在ではないだろうか。コミュニケーションをとる第一歩として、子どもと向き合って話を聞くことを大事にしたい。

☆ 大人は子どもの良い手本となろう。 子ども達がきちんとした会話ができるようになるには、大人がきちんとした話し方をすることが大切である。時と場に応じた挨拶をしたり、主述のはっきりとした会話をしたりすることから心がけていきたい。

☆ 地域の子どもにも話しかけよう。 いろいろな人との関わりの中で子ども達のコミュニケーション能力が高まっていく。その関わりの第一歩は挨拶であろう。子ども達に気軽に声をかけることからコミュニケーションの輪を広げたい。

☆ SNS(ソーシャルネットワーク)はコミュニケーションのひとつの道具としてとらえよう。 コミュニケーションには一定のルールが存在し、SNSによるメールなども同じであることを保護者は教えなければならない。また、コミュニケーションのすべてをSNSに依存すると、意思が正確に伝わらない危険性があることを、学校教育や社会教育の場で具体的な事例を通して教えてほしい。

平成25年度 テーマ 『子ども達の生きる力をより確かなものにするために』           ―たくましい子どもを育てるための大人の関わり―

【シンポジウムからの 気づき・学び】

○ 「たくましさ」を一様にとらえることはできない。 子どもが育った時代や、同じ時代でも生育環境によってとらえ方は異なる。子育てに関わる大人は、社会が進んでいる方向や子どもが成長していく環境を見極める必要がある。また、子どもの特性や性格によって、今後どのようなたくましさを身に付けさせたらよいか考えなければならない。

○ 失敗を恐れるあまり、失敗を経験する場が減らされている。 現代の子どもは、ある意味では今の大人が考えているよりたくましさを持っているのではないだろうか。大人は子どもが失敗し立ち上がれなくなるのを恐れるあまり、失敗を乗り越える経験をさせていないのではないだろうか。

○ 子どもは自ら伸びる力を持っている存在である。 子どもがうまく行動できるよう道を拓いてあげることは必要だが、あまりにも子どもの意思を尊重しなかったり、子細に渡って指示したりすることが多くないだろうか。じっと見守ることは、ややもすると子育てをする大人にとって苦しく感じるかも知れないが、子どもがたくましく育つためには大人の管理や規制を過剰であってはならない。

【地域・家庭・学校への提言】

☆ 子ども達が多様な経験ができるよう様々な機会を設けよう。 地域や家庭、学校はそれぞれの持ち場・立場で、子ども達がいろいろな経験ができるようプログラムを用意し、その中で失敗から学べる環境や場面も想定することによって、たくましさが育つ機会を設けることになる。

☆ 異質なものとふれあう機会を大切にしよう。 異年齢集団の中で、年長者・年少者それぞれが人間関係を学ぶ中でたくましさが育っていく。また、異文化とのふれあいの中で他を知り自分を知りながら成長し、グローバル社会を生きるたくましさが育つ。

☆ 自然とふれあう機会を多くしよう。 ゲームなどのバーチャルな世界の中では、本物のたくましさは育たない。自然とふれあい、自然の厳しさや有り難さ・大切さなどを体験を通して得ることにより、自然の中で生きる人間としてのたくましさが育つ。

☆ 子育てや教育の場面で、いきすぎた管理をしていないか見直そう。 大人が過剰な口出しをすることで子どもがたくましく成長する芽を摘み取ってしまったり、成長するタイミングを大人が見誤ったりすることがある。子育てや教育の不安を減らすためにありがちな過剰な管理を見直し、見守って育てるといった「大人のたくましさ」を持つことも必要ではないか。

平成24年度 テーマ 「子ども達の生きる力をより確かなものにするために」     
   ―将来の夢や希望を抱く子どもに―

【シンポジウムからの 気づき・学び】

○子どもは「認められたい」「ほめられたい」と思っている存在である。 「自分を認めてくれている人がいる」「集団や家族の一員としての存在感がある」という自覚や自尊感情を持たせることができるよう、よさを見つけ、ほめ、それを伸ばしていきたい。

○大人は子どもが描いている目標や夢を知る必要である。 それを知らなければ、子どもに対する支援はできない。そのためにも、子どもとのコミュニケーションを大切にしなければならない。

○大人自身が目標や希望を持って生活することが大事である。  子ども達は親や教師の姿を見て成長する。大人が目標を持って頑張っている姿を見せることや、子ども達に自分自身の夢を語ることがあれば、子ども達も夢や希望を持つことの大切さを知ることになるのではないか。

○夢や希望を持って生きて行くためには、社会で生き抜く力が必要である。 そのためにも、集団生活やスポーツなどを通して、忍耐強さ、規律や規則の意味やそれを遵守する態度などを培わなければならない。

【地域・家庭・学校への提言】

○子ども達に様々な体験をさせよう。
・一つの分野に偏らず、興味関心が広がるように
・好奇心が旺盛な子にするために○親は子どもの最大のサポーターであることを自覚しよう。
・子どもがやりたいことをみつけたら、親として最大限の支援を 
・目標に向かって進み続けるための環境作りや健康管理を 
・耐えることの大切さを体験させ、親もその苦難を共有するように○指導者は子ども達を多面的に評価するように心がけよう。 
・能力面だけでなく、行為や心情などを含めた全体を評価の対象に 
・子どものよさを見つけられる感度の良いアンテナを持って 
・子どもが評価して欲しいタイミングを逃さず、時と場を捉えて○指導者は子どもが目標を持ち、達成感が味わえるよう支援しよう。 
・実現可能性のある、直近の具体的な目標を持たせ、達成感を 
・「できる」「かなう」という意識にさせるために、ほめて育てるように 
・楽しいと思いながら取り組むようになるための工夫を

○地域は子ども達が存在感を味わうことができるようサポートをしよう。 
・子どもが所属意識を持てるような地域活動プログラムを 
・子ども達が安心して学び、遊べる安全な環境作りを

平成23年度 テーマ 「子ども達の生きる力をより確かなものにするために」    
       ―地域や家庭での関わりで大切にするものは何か―

【シンポジウムからの気づき・学び】

☆子ども達に、親として地域の一員としての姿を 
・学校や地域の活動に、主体的に参画している姿 
・家族間のコミュニケーションを大切にし、お互いを理解しようとしている姿 
・おとなとして更に学ぼうとする姿勢 
・ボランティアなど地域社会に協力している姿☆子ども達が様々な活動に参加できる機会を ―子ども達は何を求めているか、子ども達に何を体験させたいかを視点に
・学校や地域、PTAが連携・協力を 
・学校や団体の持ち味を生かした活動を 
・子ども達がなるべく参加しやすいよう、保護者が後押しを 
・子ども同士、親同士が誘い合って地域活動に参加するコミュニティ作りを☆子ども達に地域を大切に思う気持ちを 
・地域活動に親子で参加することの推進 
・地域が一体となって実施するイベントの企画・実施 
・地域の良さや伝統を知り、受け継ぐ活動の開発、継承

【地域・家庭・学校への提言】

○子ども達一人一人が目標を持ち、強い心を持ってたくましく生きる意欲を育むようにしよう。

○自分の良さを知り、自分を大切にする気持ちが育つようにしよう。

○学校やPTA、各種団体が呼びかけ合い、連携し合って、地域ぐるみで取り組む活動を大切にし、子ども達が地域の良さを感じるようにしよう。

○大人は地域の子どもに関心を持ち、積極的に関わる姿勢を持とう。

○子ども達のお手本となるように、熱意を持って学校や地域の活動に参加をしよう。○決して無理をせず、長続きする地域の活動をしよう。

○地域のみんなが地域社会に溶け込み、大人の仲間意識を広げ、強めよう。

○子ども達と共感し合える話題などで、大人と子どもが会話する時間を多く持ち、大人の体験談から学ぶ機会などを作ろう。